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シリーズ <第55回> | ![]() 竹 しんじ |
自選 《月間MVP展》 <<<<< 2008年2月 >>>>> |
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO |
1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。
1月 MVPtop
3月
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ニガクリタケ (カサ径 1〜2センチ) 2008.2.2 神奈川県藤沢市・少年の森公園 |
当HPを開設して丸7年が経ち、1ヵ月毎の締めくくりにと始めた本コーナーももうすぐ5年になる。 驚いたことに、1年を通して出会う機会が多いはずのニガクリタケが過去一度も登場していないのだ。確かに神秘的な美しさや絵になるシーンとはちょっと無縁かも知れないが、それにしても撮影枚数ではトップクラスの本種が・・・と、意外だった。 今年の2月は関東地方でも何度か雪が積もり、久々に冬らしい日が多かった。そのせいかいつもなら見られる極小菌も少なく、いい被写体を見つけられない。 そんな時でも散策路の脇材にニガクリタケは元気に生えている。強い毒や苦いことで嫌われ者だが、私にはありがたい種類だ。 戻る |
サガリハリタケ (ハリ長 1センチ以下) 2008.2.9 神奈川県平塚市・高麗山 |
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冬の晴れ間は湿度20〜30%という異常乾燥とも言える状態が続く。秋に降り積もったたくさんの枯葉を、カサカサと踏み散らかして歩くのはなかなか愉快だ。 しかし、こんな日はどんなに目を凝らしても新鮮なきのこなど見つかるはずがない。多少なりともいい状態なのは主に硬質菌ということになる。 最近落ちたらしいハリギリの大きな枝に、何やら赤っぽい背着生のきのこが見えた。肉眼ではディテールが分からなかったのでルーペで覗き込むと、ちょうど針を伸ばし始めたサガリハリタケの幼菌だった。 ほとんど真っ白な基部からオレンジ色の針が下がり、先端の部分は紅色を帯びている。なかなかいい色だ。冬はこんな発見が嬉しい。 戻る |
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ヒメカバイロタケモドキ (カサ径 約7ミリ) 2008.2.21 神奈川県平塚市・高麗山 |
間伐材を積み上げた場所はきのこ探しの好ポイントで、当然ながら針葉樹より広葉樹の方が期待できる。しかし、それは冬以外の季節の話で、この時季はどちらもあまり差はない。 つまりそれは針葉樹でも気を抜かずに探すべきだということで、この日もそうして群生している本種を見つけた。もうかなり萎れてしまったものが多かったが、よく探すとわずかに新鮮なカサもあった。 こうして日に透けるとオレンジ色に見えるのでヒメカバイロタケにも似てくるが、カサの表面が繊維質で柄の肉質も少し違う。どちらも群生する小型菌だが、本種の方がカサの大きさが不揃いになることが多いようだ。群生シーンよりクローズアップの方が絵になる。 戻る |